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Vol.74
週が開けた。
一週間をきった。
私のオランダ。
あと5日。
気持ち的には、おセンチに浸りたい、という部分もあるのだけど、
日々がそうさせてくれない。
いそがしい。。
でも、それがある意味、ありがたかったりしている。
帰国が決まって、友達に日程を聞かれて、
「幼稚園の運動会をやってから、、、って感じかなぁ」
と答えていた。つい最近までそうだったような気がしている。
その『運動会』が今日父の日、盛大に行われた。
「親子レク」という名称で、お父さんと一緒に
幼稚園児がいろいろな競技をする。
これが我が家のオランダでの最終イベント。
お父さんと一緒に、手をつないで、入場行進する。
“はとぽっぽ体操”をお父さんと一緒に踊る。
お姉ちゃんの時代からそうであったから、
うちのダンナはもう、何回踊っただろうか。
『はじめの言葉』の号令の代表に
息子がならせてもらっていた。
有終の美を飾るにふさわしい、先生のご配慮だろう。
多くの笑顔と、歓声と、いくつものカメラやビデオがまわる、、まわる。。
年長さんの我が息子は、
母親に似ず、背高のっぽ。
年長さんで一番大きいということは
幼稚園中で一番大きいってことなんだねー、
と、朝、おねえちゃんが何の気なしに言った。
そうだよ。僕は、今日、一番頑張るんだから。。
へこたれることが多いヤツだ。
出来ないとなると、なにくそっっと挑戦することはほとんどない。
うまく行かないと、すぐにふてくされてブーたれる。
全く、誰に似たんだろう、、と思っていた。
彼は一番ガタイがでかいので、なにをするにもアンカーだった。
もちろん彼だけの責任ではないのだけれど、
『負け』が決まる瞬間は、いつも彼がそれを決定付けてしまっていた。
あーあ。。。と、みんなに言われ、
相手側の歓声を一人で思い切り浴び、
泣きたいくせに絶対泣かない、変な顔をするのがクセになっていた。
先生は、それに心を痛めていてくれていた。
勝負は勝負、仕方がないんですけどね。。でも、、
かわいそうなんですよ。。。フリたくんのせいじゃないんですけどねぇ。。
練習の時の彼は、いつもそんな感じだったようだ。
でも、今回、力だけは抜かない、何度でも全力で走ったそうだ。
親として、それだけで救われる思いだった。
今日彼は、3度の“勝利アンカー”をいただいた。
もちろん、それまでの、同グループのみんなの尽力の賜物。
叫んだ、笑った、ジャンプした。
ありがとう、みんな。
フリたくんは、最高のプレセントをみんなからもらったよ。
たくさんの写真を撮った。
誰からも、最高のポジションを譲ってもらった。
「フリッツ、ほらほら、ここから、フリた、よく見えるから。。ここで撮りな。」
最高の笑顔と、勝利者の誇りとともに、
息子は帰って来た。よく頑張った。
それからみんなのおかげ。
家に戻り、近所へ挨拶回りをした。
オランダ人のお宅。
普段は挨拶程度。でも、肝心な時にはみんな、助けてくれた。
家の周りで工事が始まるから。
今月はゴミの日が変更になるから。
オランダ語の通知が来ると、
みんなでこぞって、英訳のメモをポストに入れてくれた。
クリスマスには必ずカードをくれた。
「それでもあと、5日あるじゃないか。
この5日をエンジョイしてくれよ。」と隣のおじさんが言った。
日本に帰りたい、帰りたい、、と言い続けてきたけれど、
言っているだけの時が本当は一番いいのかもしれない。
今、「帰りたくない」とは言えないが、
ふと、最終日にしなくちゃいけない挨拶の言葉を考えたりすると、
ダーダー泣きたくなってくる。
でも、今はまだ泣かない。
だってまだ、5日もあるから。
次回、「蘭まま」
最終回を予定しています。
あと一回、読んでください。
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